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幌加内高校、ついに学校の枠をぴょんと飛び越える。

学校は教育現場。
学校は勉強を学ぶとこ。

もちろん間違いではないでしょう。
では、学校とはそれ以外の影響や役割を持ってはいけないのか?

大きな都市に住んでいる人たちからすると、そこに学校があるのは当たり前で日常の光景かもしれません。

しかしながら、小さな地方都市における学校の存在は、その町に活気をもたらす存在やシンボルであり、その町の存在を世間に知らしめる存在にもなり得ます。

現在、幌加内高校の立ち位置はそんなところを走り始めているかもしれません。

こんにちは。幌加内高校ですが何か?


高校の統廃合真っ盛り

さて、ご存知の通り少子化全盛期の我ら日本国では、みなさんの知らないところで高校の統廃合が「フレッツ光」の速さの如く進んでおります。

まるで待ったなし。

もちろん、生徒数が減ってしまうと学校の運営を行うにはコストが見合ってきません。
そうなると自治体や地域としては統合か廃校にするしかありません。

これらの大問題を解決しようと立ち上がったのが島根に拠点を置く「地域みらい留学事務局」。

幌加内高校も参画をしており、2年生の1年間だけ幌加内高校に国内留学ができる制度となっています。

こちらは3年間丸々、他県の高校に通える制度と、2年生の1年間だけ通うことができる制度に分かれており、全国でも相当数の高校が参画しています。

もちろん、これらを行うことによって生徒が様々な経験値を得ることができることや、地方の在り方などについて興味を持つ生徒が現れるかもしれません。

第一の大きな目的として、留学をする生徒にとって有益なことは大前提ではあるものの、これらが行われることによって、その地域や町の活性化に大きな影響を及ぼすものでもあります。

では、具体的にどのような影響を及ぼしているでしょうか。


#情報発信

学校が積極的に情報発信を行うことによって、その学校を通してその町を知ることができます。

幌加内という町を知っていた人もそうでなかった人も、春先になると幌加内に白鳥が飛んでくることを知っていた人はどれくらいいたでしょうか。

幌加内の町を知っている人の多くは「そばの名産地」「極寒豪雪」「朱鞠内湖キャンプ場」「幻の魚イトウ」あたりがメジャーなキーワードでしょう。

しかしながら、白鳥が佇む光景などはあまり知られたことではありません。
人によっては、この情報を元に白鳥を見に来る人がいるかもしれません。

また、学校以外の発信を続けることによってSNSなどのフォロワーさんからも情報提供をおこなってもらうこともあります。

普段、幌加内高校の情報発信を見ていることによって、何気ないところで遠く離れた幌加内のことを思い出してくれることは、町にとっても有難い限りのことなのです。



#関係人口の創出

全国で国内留学の周知がされることによって、幌加内高校としては様々な県の生徒や保護者などと繋がりを持つことができています。

今まで大半の生徒が北海道内からだったのに対して、全国の様々な地域から生徒が来ることによって北海道の小さな町、幌加内という町の魅力を知ってもらい、今まで知られていなかったところでの認知度が高まります。

では北海道で全国的に知られている小さな町はどこでしょうか。

ニセコ?美瑛?東川?

そんな名の知れた町でさえも、高校の生徒を集めるのには簡単なことではない時代です。

しかし、高校生が町に来ることによって、そのまま町で就職をするパターンや、就農することも可能性としては小さくありません。

特に北海道の場合は、地方に農業高校があることによって、農家の担い手育成を見つけるきっかけにも繋がります。

もしくは今後の未来として農家と学校が提携を結び、就農までを見据えた農業の教育が行われないとも限りません。


#町の灯火

高校生たちが持つエネルギーや明るさは、町にとってまるで灯火のような存在です。

また、大人にはないアイディアや目線が、自治体や町を動かす一つのきっかけになることもあるでしょう。

多くの地方都市では、子供が大きな都市に出てしまったことによって、いわゆる高齢者が残っていきます。

そんな方々にとっても、高校生という存在は時に刺激的であり、時に魅力的であり、またある時は癒しの存在であるかも知れません。

一言の挨拶が、すれ違う誰かの一日を幸せにするかもしれませんし、高校生の登下校を見るだけで、安心する町の人々がいることも事実なのです。

人は皆、存在することに意義があり、高校生ともなるとその影響は自分達の知らないところで誰かに大きな影響を与えています。



地方の高校は観光産業にもなる

有難いことに、幌加内高校は年々多くの人に温かく見守られる存在になりつつあります。

特に特色のあるカリキュラムが組み込まれている多くの地方の高校では、その高校のファンや高校生の作るものを好んでくれている人も少なくはありません。

高校生が生み出すものや作り出すもののブランド力は、唯一無二のブランド力であり、これらの影響力をどのように使っていき、マーケティングに利用するかはそれぞれの自治体や学校のアイディア次第でもあります。

学校自体が観光産業に傾倒する必要はなくとも、気がつけば多くの人が「あら、ここが有名な〇〇高校だね」と認知をしてもらうくらいのことは、どの高校もできないことではありません。

特に小さな町や、観光資源に乏しい町などは発想の転換を行うことによって、新たな魅力を生み出すことも可能ではないでしょうか。



学校が学校である時代の終焉

大きな都市にある学校と、小さな町にある学校では、同じ教育現場であったとしても、その町や地域にもたらす影響は大きく違い、地域住民の関心度もまた違います。

今現在、国内の地方都市での多くの高校は様々な取り組みに取り掛かり、高校の存続や魅力化を推し進めているのが現状。

学校が学校としての枠を超えて、様々な形で地域の軸やシンボルとなりつつあります。

https://shima-ryugaku.jp/

上記のサイトのように留学先の高校で、保護者が積極的にその町の魅力や学校の情報発信を行うことは今まであったことでしょうか?

このようなことは、学校の魅力や制度を世間に発信したいという想いで行われたものであり、学校が学校としての役割の枠を超えたことにより、その波及効果が保護者や地域住民を動かす要因ともなっています。

学校が学校としての枠を超えてきた時に、その地域を支える強い軸となり、一つのアイコンやシンボルとなる。

今の時代、学校の存在とはその地域を担う「特別な存在」であるという認識が広まりつつあるのかもしれません。

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