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幌加内高校のSNSに完璧を求めるべからず

誤字脱字のポストから、スラングまで華麗に使いこなす幌加内高校の公式Xアカウント。

SNSの世界ではちょっとのミスも許してもらえないようで、学校のアカウントともなれば尚更。

「公立高校のくせに漢字が間違っている」
「学校のアカウントでJKを使うな」

そんなリプもちらほら飛んでくる中、幌加内高校は先に宣言しておきます。

今後も誤字脱字やスラング使ってポストします。学校に完璧を求めるべからず。だって学校だもの(幌加内みつを)

3000人増えた新しいフォロワーの皆様こんにちは、幌加内高校ですが何か?



鏡→鑑だってさ

こちらのポストが470万を超えるインプレッションを叩き出す中「農業高校生の鏡」の字が間違いだという指摘がありました。しかしながら、そもそもこちらのアカウントは、今も昔も誤字脱字ありきのアカウント。

本来、この場面で使用する〝カガミ〟は「鑑」が正解だそうで、校長先生が見たらアキレス腱の断絶をしてしまうほど辛らつなリプも飛んできました。しかしフォローをする方々は「学校のアカウント=絶対完璧」という概念を捨ててフォローして下さい。

大谷選手だって10打席のうち7回は凡打をします。
サッカー選手の本田圭佑さんだって「清々しい」を「キヨキヨしい」と言い間違えます。
体操の世界チャンピオンや、フィギアスケートの世界チャンピオンだって10点満点の演技は出せません。
chatGPTだって、訳の分からん答えを出します。


と・い・う・こ・と・は


幌加内高校の公式アカウントがミスをしないはずがない。


日本では「ミスをするな」と、先祖代々教えられてきましたが、かつてインドではこう教えられてきました。

「あなたは他人に迷惑をかけて生きているのだから、他人のことも許してあげなさい。それが生きるということ」

カレーの国の人々がそう言うなら、お寿司の国の人々も従ってみてはいかがでしょうか。


世知辛い世の中。
絶対完璧主義が大好きな国民性。
カレー大好き、地球上最も適当主義なインド人の国民性も少しばかりのスパイスエッセンスとして頭の中でかき混ぜてみましょう。


ガラムマサラ。



JK=女子高生って言ってない

「東京のJKも真似してほしい」

そう、ポストしたら「学校のアカウントで女子高生をJKって言うな」というリプも飛んできました。
でも、JK=女子高生なんて一言も言ってません。

こちらでは、東京在住の「要潤」「久保純子」「小泉純一郎」「冠二郎」たちのイニシャルをまとめてJKと言ったつもりでした。しかし、世間一般ではそう認識されていなかったようで、人口1200人の幌加内町とは、多少誤差があったようです。

幌加内町でJKと言えば大半の女性達が「あー、要潤君ね」となり、それ以外の男性陣は「はいはい、久保純子さんね」と真っ先に頭に浮かびます。

冠二郎が大根をリュックに背負って、新宿のトー横で「おら東京さ行ぐだ」をラップ調に歌いながら歩けば、多くのキッズ達は「やべえ大人が来た。。」と感じ、トー横の治安は安定の一途を辿ります。

そして、小泉純一郎がリュックに大根を背負って永田町を歩けば、日本の政治家達は国会から飛び出し、畑を耕すことでしょう。


そういった意味も含めてポストしたつもりでしたが「学校のアカウントでJKは使うな」とのリプも、まるで〝翔んで埼玉〟のように、全国から飛んできました。

確かにSNSでは人を中傷するような言葉や、罵詈雑言は言語道断です。
しかしながら、JKはそれらに該当しないため、指摘される理由がありません。

「JK」の使い方と読解力に、もっと発想力の自由と柔軟性を。



求めていいもの

そもそも、学校と学校のSNSはある意味別物。テニスとバドミントンは別の競技。ソフトボールと野球も別の競技。

ししとうと南蛮も別の野菜であれば、ブドウとマスカットだって別の果物です。

まるでそれっぽいことを書き並べて、さも、学校と学校のアカウントは別であると強調し、見事に読者をパラレルワールドへ誘導していますが、学校のSNSが誤字脱字を犯すからといって、学校が教育をおろそかにしているわけでもなければ、学校のSNSの使い方に文科省からお達しがあるわけでもありません。

生徒達は、大根をリュックにブッ刺してバスに乗り、親元へ帰省するほどピュアな心を持った人間に育っています。

幌加内高校の公式アカウントだって、元々は〝軟式〟アカウントから始まり、頃合いを見計らって公式へと昇格しました。

そして幌加内高校のアカウントは、保護者のヒリヒリとした視線を肌で感じながら運営している強メンタルなアカウントです。

もしかすると、文科省や北海道教育委員会の人々だって奥歯で苦虫とフリスクを噛みちぎりながら、日々の投稿ポストに目を向けているかもしれません。

そんな幌加内高校のSNSのポストに完璧を求めないでください。
求めていいのは、人口1200人の町と全校生徒42人の、日々徒然の高校生活。そして絶望的な雪の多さとSNSでは伝え切ることのできない、愛くるしいほどの極寒地域。


新しいフォロワーの皆さん。
これからも誤字脱字のポストを堂々とするアカウントなので、完璧を求めず北国の小さな町の高校から発信される、アバンギャルドなSNSの運営をお楽しみください。


ガラムマサラ。