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暖冬は幌加内にとって死活問題

暖かい冬と書いて暖冬。

多くの人が暖かい冬を望む中、日本一寒い町幌加内にとって暖冬は、町のチャームポイントをかき消されてしまう死活問題です。

寒さが売りの町で暖冬は、営業妨害みたいなもの。

非公式ではあるものの-41.2℃という最寒記録を達成したならば、非公式であることを逆手にとって-50℃と公表してもワンチャン、バレやしなかったかもしれません。

「非公式」という魔法の言葉は、何でも応用が効いてしまうポリバレントな言葉です。

非公式会談。
非公式グッズ。
非公式な記録。

それでは、本日は非公式な幌加内高校のブログ記事をリリースしていきましょう。
非公式万歳。

こんにちは。幌加内高校ですが何か?



寒くなければ幌加内じゃない問題


「寒い」と書いて幌加内。
そんな言葉が巷で出回る中、今年の夏は気絶するような暑さで幌加内もついに南国入りに成功しました。

もはや幌加内が35℃を夏に超えてくるのは当たり前になり、避暑地という代名詞も北海道では通用しなくなった今の時代。

本州から夏休みに北海道へ逃げて来たとしても、それは逃げではなく挑戦でしかありません。

北海道の多くの家庭ではクーラーがなく、35℃を超えても扇風機で涼を取る道民の姿はもはや猛者そのもの。そんな世界へようこそ、本州の皆さん。

どうして神様は冬と夏を掛け合わせて、人間にとって適温な気温を調整してくれないのでしょうか。
スパルタ教育という言葉が死語になりつつある現代、スパルタ気温という言葉が幌加内で創出されるかもしれません。

夏は35℃、冬は-41.2℃

寒暖差なんと、、、、約、、、、えーっと、、、、41から35を引いて、えっと、、、小数点があるから、、、

ま、まあ、細かいことはいいとして、とりあえず冬は寒く夏は暑い幌加内ですが、心頭滅却すれば火もまた涼し。

そんな精神論を学校が語ると、一発で炎上する世の中になってしまい、昔の先人たちの「名言」は今や「迷言」と言われる時代です。


寒さが生み出す神秘の光景

「神秘的な光景とは幌加内の為に作られた言葉」

残念ながらそんな事実はどこにも見つかりませんが、幌加内の冬には神秘が宿ります。

幻想的な朝を見ると、まるで映画の中の世界のような光景が広がり、多くの生徒が白い吐息を吐きながら通学してきます。

寮から学校までは5分もかからないほどの距離なので-30℃を超える朝でも上着なしで登校してくる生徒も存在するのが幌加内です。

北海道では冬になると「ダイヤモンドダスト」という、これまた神秘的な現象が発生する町があり、幌加内町も「ダイヤモンドダスト」を撮影するために、多くの写真家などが朝から訪れてきます。

いくつかの気象条件が重ならなければ起きない現象ですが、発生する場所も限定的になり、北海道の全ての地域で観れるものでもありません。
また、時間も限定的で、日によっては数分で見えなくなることもあるでしょう。

まるで神様が寒い地域だけに与えた、特別な神秘世界。

多くの人にとって神秘的な景色は、精神面や視覚の部分で大きな癒しと感動を与えてくれるものでもあります。



寒いのがいいか雪が多いのがいいか

北海道では暖かい日に雪が降り、寒い日には雪が降りません。
理由についての説明は割愛するので以下のサイトでご確認ください。

さて、雪が多く寒さも厳しい町というのは、国内でも珍しく、幌加内がいかに特別な町かお分かりでしょう。

両方を兼ね備える幌加内は、大谷選手よりも二刀流の町なんです。

そんな幌加内ですが暖冬の冬を迎えると、とても雪が多い年になってしまうかもしれません。
雪が多いと、生活上は路上の除雪が増えて、なおかつ屋根の雪下ろしも頻繁に行わないと、耐久性の弱い車庫などは潰れてしまいます。

幌加内の人にとっては暖冬よりも雪の少ない厳しい寒さの方が好まれているのではないでしょうか。

冬なんて幌加内町民からするとどうせ寒いもので、-20℃も-30℃も寒いことに変わりはないのです。

それに多くの人は家の中で生活をし、移動は車なので、雪が多い冬よりも寒い冬の方が生活の不便さは和らぐものと思われます。


あっちゅーまに10月

北海道の雪の降り始めを知っていますか?
早い年で10月の半ばから雪が降り始める年もあります。

大抵は11月くらいから降り始め、段々と積もっていきますが、10月から降らないとも限りません。

4月でも当たり前に雪が残っている幌加内では10月から降り始めた年は半年間が雪に覆われるということです。
まあ11月であっても半年は雪に覆われている生活であることに違いはないのですが。

半年間も雪のある生活を経験すると、もはや雪のない冬は気持ちが悪くて寝付けないという幌加内町民もいるかもしれません。

沖縄の冬では真っ赤に咲くハイビスカスと、南風に揺られるサトウキビ畑を眺めながら、家で正月番組を見るのです。

同じ日本だというのに、全く違う正月感覚を持つ沖縄県人たちとどのように話を合わせるか大変なのが道民の歯痒いところ。

「なんくるないさ〜」が沖縄県民の性格を表すように道民も「なんとでもなるっしょ〜」精神でおおらかな気質を育みましょう。

豊かな心はその土地の大地から育つものなのです。



雨から雪へと

これから雨の日が増え、次第に雪へと移り変わってゆくことでしょう。
国内で一番初めに積雪を観測するのは、おそらく旭川方面にある大雪山系の山頂付近から。

9月下旬から10月にかけて初雪が観測されると思います。

「本日大雪山で初雪が観測されました」

そんなニュースが北海道で流れる頃には、北海道民も心の準備を開始します。

「かかって来いよ、冬」と。
コートよりもブーツよりも暖房よりも、北海道の冬を乗り切るには心の準備が一番大切なものですから。

とにもかくにも、幌加内にとって暖冬はとても大きな営業妨害なのです。
冬のウェザーニュースは幌加内が全国に対して、トップニュースを飾り一番ドヤ顔をできる瞬間なのですから。

そんなチャンスを「暖冬」という甘い気象条件で消されてしまうことに、幌加内町は断固として天気の神様に抗議すべきではないでしょうか。



おわり。