「じゃ、鹿に気をつけて!」という幌加内ならではの特殊な挨拶
「へー。これから〇〇へ行くんですね。道中鹿に気をつけてください!」
という、幌加内のパワーワードすぎる挨拶。
社交辞令でも、笑いを誘っている訳でもなく、本当の意味で心配をしての声かけです。
なぜなら道路に飛び出す鹿の危険度は、ハンドルを握る幌加内町民なら誰しもが知っていることだから。
そんなサバイバルなアドベンチャードライブが味わえます。
こんにちわ。幌加内高校ですが何か?
スタットレスタイヤより必須な鹿笛
「鹿笛って何よ?ww」
そんな声が聞こえてきそうなくらい、一般的には多くの人が知らない「鹿笛」という、特別な笛。
車に装着し、人間には聞こえない音が発せられることで、道路に飛び出してくる鹿を減らすという目的で装着している車が少なからずあります。
JRでも線路に飛び出す鹿が後を絶えず、列車に装着することで鹿との事故を減らすような取り組みが行われているようです。
「スタッドレスより必須」はさすがにいくら北海道といえども言いすぎな部分はありますが、逆に幌加内のように野生の鹿が多く飛び出してくる地方の町では、スタットレスタイヤくらい必要なアイテムでもあります。
車が鹿と衝突すると、スピードにもよりますが、かなりの衝撃でダメージもでかいというのは北海道民のドライバーなら多くの人が知っている事実。
場合によっては、鹿の足がフロントガラスを突き破り、大怪我をするという話を聞くこともあります。
幌加内高校の教員は?
「昨日鹿と衝突したよ。。」
そんなセリフが数年に1度ほど、職員室で誰かの口から発せられます。
場合によっては廃車になるほどの衝撃で大変なこともあれば、ちょっとした傷と凹みで終わる場合も。どちらにしても不運なことではありますが、全くの無傷で終わることはまずないでしょう。
ある日、教員がとてつもなく凹んだ気分の時はもしかしたら鹿と衝突をした次の日かもしれません。
そんな時は生徒の皆さんにはそっと察してもらいたいものです。
自分のミスで起こした事故ならば「仕方ない」と割り切れても、鹿が突然飛び出してきた事故は「運」がほぼ全てです。
幌加内高校に配属されると、そんなハプニングももれなく付いてきます。
残念ながら鹿だけじゃない
確かに幌加内で車を運転するに当たって、鹿に気をつけなければいけないのは確かなこと。
しかし残念ながら、気をつけなければいけないのは鹿だけではありません。幌加内の町では道路に、狐や狸、野ウサギなども時には飛び出します。
これらは小動物なので衝突をして、車が大きく壊れることはありませんが動物を車で轢くのは気持ちのいいものではありません。
これがもし野うさぎの方が大量発生するならば「野うさぎに気をつけてね」という可愛くも、おぞましい光景が目に浮かびます。
〇〇に気をつけてね
さて、幌加内では「鹿に気をつけてね!」というパワーワードが絶賛炸裂中ですが、他の町では違う動物になるのでしょうか。
例えば、野生のヒグマが多発する北海道の知床。
「ヒグマに気をつけてね!」はさすがに幌加内を超える強烈な声かけです。
特に、今年はヒグマの出没が多い傾向にあるので、特別なパワーワードではないのかもしれません。
そもそも気をつけたところで、対面と同時にある程度の諦めが必要にはなるかとは思いますが。
それでは、沖縄本島。
「ハブに気をつけて、なんくるないさー」
沖縄の人が見たら学校に抗議の電話が来るかもしれないほど、適当になんくるないさーを乱用しましたが、おそらく沖縄のハブがたくさん出るところでは「ハブに気をつけて」が一般的に言われていることでしょう。
ちなみに「なんくるないさ」は日本語で「なんとかなるさ」でした。
石垣島の自治体が積極的にサイトで注意を促しているくらいですから、沖縄の人の日頃の挨拶は「ハブに気をつけて」で間違いはないと思います。
知床あたりの自治体でも「もし、クマに噛まれたら」なんて自治体が訴えかけるサイトがあるのでしょうか。
あるわけないか。
あなたの町の挨拶は?
さて、あなたの町の特殊な挨拶はなんでしょうか?
「そんなもんあるわけなか」
そんな町もあるでしょうが、あなたが気がついていないだけで、実際には他の町では使わないような挨拶があるはずです。
それがあったところで特別な何かがあるわけではありませんが、あなたも知らず知らずのうちに習慣的に使っているかもしれませんよ。
「運転する時、イノシシに気をつけなはれや」
そんなパワーワードを毎日誰かに言っているのではないでしょうか。
購読者の皆さん。
幌加内へお越しの際、もしくは幌加内を通って、どこかの町へ行く際には「鹿に気をつけて」くださいね。
皆さんの運転を心配する、世界一の優しさを兼ね備えた幌加内町にある幌加内高校からでした。
ちゃんちゃん。