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幌加内町は新しい町づくりを目指しているんですけど何か?

小さな小さな魅惑の町、幌加内。

人口1400人程度の町が新たに目指す方向性はどの方向へ光を向けるのか。

幌加内高校の生徒も特認アドバイザーとして加わる、小さな町の大きな町づくり。

幌加内では一体、どのような町づくりが行われているのか。

こんにちわ。幌加内高校ですが何か?


小さな町だからこそ参加できる町づくりWS

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幌加内町に住む、様々なジャンルから選出されているメンバーの意見交換を行い、これから数年かけて新しい町づくりを目指す幌加内。

時間、お金、場所、様々な制限がある中でのアイディアの創出は実は理にかなっていることかもしれません。

「制限があるからこそアイディアは生まれる」あながち間違いではないこの言葉。自由の中よりも縛りがある方がアイディア力は養われます。

WS(ワークショップ)という形で意見交換を行う、町づくりは役場が主体となり、町が委託をしている企業と町民が直接関わり、これからの幌加内を作っていきます。

幌加内に限らず、このような取り組みを行っている町は全国でも少なくはないのかもしれません。


北海道は札幌集中

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人口だけで見ると、北海道は札幌に多くの人が集まっているのが現状です。

進学や就職など様々な理由があるのですが、ここ最近顕著になっているのが、田舎に住む親を呼び寄せるパターンでの人口増加。

確かに大きな都市では介護施設などの充実度や、生活の便利さなどもあり、親が子供の近くへ行く理由もわからなくもありません。しかし、町としては必ずしも健全的な人口増加とは言えない現状。

少子高齢化という理由もさることながら、大都市でもその図式は輪をかけて増大していきます。そうなると今度は介護施設での人材確保不足がいたるところで出てくるのが予想されるでしょう。


幌加内だけ生き残るのが無理な理由

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地域創生に関して、様々な形で関わってきた専門家を呼んで、これからの町づくりに生かすという機会が設けられました。

当たり前のことですが、意外と多くの人が目を向けれていなかったこの言葉。

「これからどんな町づくりをしても幌加内だけ生き残るのは無理な話」

国内の人口減少が早いペースで進む中、消滅していくのは小さな町からなくなります。どこの限界集落近辺も、大きな町からなくなり小さな町が残ったという事例はまずもってない話。

幌加内高校も、町立だからこそ少人数の高校として成り立っていますが、これが道立(県立)だとするならば廃校になってもおかしくはない生徒数かもしれません。


さて、幌加内だけ生き残るのが確率として0に近い状況でどのような視点で町づくりを考えていかなければいけないのかとなると、町づくりを「面」で捉える視点。

幌加内を中心に考えると、「点」は幌加内。近隣都市との繋がりは「線」。そして北海道全体という「面」。

この「線」を太く強いものとして「面」を意識した町づくりを考えていかないと、今の世の中での町づくりとして失敗に終わってしまう可能性が高くなるということです。

専門家が多くの町の地域創生で見てきた答えの一つが「面」で捉える地域創生というわけです。


1万人の町を変えるのに必要な人数

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「一万人の町を変えるのに必要な人数は5人」

いくつかの町の地方創生を見てきた中で、町が変わるのに必要な人数は5人という具体的な数字は的を得てる人数。

その5人というのは必ずしも「私たちが町を変える」という気概がなかったとしても変わることに変わりはありません。

一人が飲食店をやり、一人がゲストハウス、一人がweb製作者で、一人が施工業者、そして一人がセレクトショップ。簡単に書いてみましたが、このような業者図式で、1万人程度の町が創生に至った例もあるのも事実です。

彼らも最初から「町を盛り上げよう」という意識で行っていたわけでもなく、それぞれが自分たちのやれることを最大限に楽しくやった結果、地域創生の結果に繋がったのが現状です。

これらのことは小さな町の方がより可視化しやすく、スピード感も早いのかもしれません。


町は人間の意識から出来上がる

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子育て世代、農家、高校生、議員、観光業、移住者、役場職員。

全ての人たちが持つバックグラウンドはバラバラで、目指したい町づくりも多種多様。町としても新しいプロジェクトを目指し、走り出してはいるものの、町としての立ち位置や町民との並走感が求められているのも事実。

しかしながら全ての町は〝人間の意識〟からできあがっています。もしくは〝人間の想像力〟と言った方が分かりやすいかもしれません。

「ここに公園があったら町民は豊かな生活が送れる」

誰かがそう思い、頭の中で想像をするところから町は始まります。そしてその思いに、多くの人が賛同し、人々の意識が集合したものとなります。そこで様々なイメージ(想像)で公園の概要が出来上がります。

どのようなことも例外なく、人間の意識や想像の中から生まれるものが具現化されていくわけです。

これから数年かけてできあがっていく幌加内の町づくりは逆説的な視点で言うと、町民の想像が具現化されるわけです。

全てのことが具現化されるわけではないかもしれません。また、全ての人が納得できる町づくりが行えるわけでもないかもしれません。それであっても、WSを皮切りに町づくりの概要が見えるということは、小さな町だからこそ体験できることでもあります。


高校生から携われる魅力

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全ての生徒が携われるわけではありませんが、高校生をワークショップのメンバーに選出することは町が高校生の視点を軽視していないという明確なメッセージです。

高校を軸に地域創生を進めている幌加内は、小さな町だからこそできるものを存分に活用しています。

また現在幌加内高校で進んでいる〝地域みらい留学〟を通して、地域創生の一つとして幌加内高校は町の軸になっています。

町のワークショップに高校生が選出されるのも、高校の教員が選出されるのも新しいほころみであり、今後どこかの町のモデルになる可能性も秘めている幌加内。

数年後に幌加内の町民の町づくりと、民意はどのようになっていくのか、高校としても楽しみに見ていきます。