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3の31と4の1の境目のとある学校の一日

エアーポケット。

飛行機に乗っていると稀に遭遇する、飛行機が上空でストンと何百メートルも下降する現象。

あまりのフリーフォールっぷりに飛行機に乗っている乗客からは悲鳴が上がりますが、慣れている人からすると「たまにあるよね」と冷静でいられます。

乱気流に巻き込まれて、一気に飛行機が上空で落ちるんです。

さて全く意味のわからないタイトルと、意味のわからない文章から始まった本日のブログ。

こんにちわ。幌加内高校ですが何か?


学校のエアーポケット

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あなたは学校にエアーポケットがあることはご存知でしょうか。

学校に起こるエアーポケット現象は3月31日と4月1日の間です。

この期間、学校間では多くの教員の転勤で移動が始まります。

そして、場合によっては教員がすっぽりといなくなる日が3月31日。そして次の日の4月1日から新しい教員と学校が始まるわけです。

この期間は全国の学校でエアーポケット現象が発生し、職員室は今までの職員室とは違った雰囲気になります。

特に幌加内のような田舎の学校では教員の引越しを職員総出で手伝うのが通例行事となっています。

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幌加内高校では今年の転勤は教頭先生だけでした。

学校で最後の挨拶はしたものの、本当の本当に最後のお別れは、最後の引越しを手伝い、涙涙のお別れをして、転勤を見届けるというわけです。

悲しさもありつつ、次の学校での活躍を多くの人が心待ちにしているので嬉しいような悲しいような。

全ての職員が総出で引越しの手伝いをするのは、やはり教頭先生の人柄と人望があってのことでしょうし、教員の引越しを皆で手伝う行事は、田舎の学校ならではの楽しみなのかもしれません。


絶賛エアーポケット中

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3月31日。

幌加内高校の教頭先生の机はエアーポケットに入り、教頭不在の1日となります。

山のように積まれていた書類は、跡形もなく処理され、ガランと空いた机は明日には新しい教頭先生が着任します。

寂しいですよ、そりゃあ。

それでもすぐには次に来る教頭先生がいますので、いつまでも惜しんでもいられませんし、転勤していった教頭先生だって、次の学校へと気持ちを切り替えていかなければいけません。

出会いと別れ。

ある意味、学校の教員とは学校間を旅する〝旅人〟なのかもしれませんね。

多くの出会いと別れが人の感情に感動を与え、人としての成長の養分となるのでしょう。

年度末の最後、3月31日の学校の職員室は、次年度に向けた準備もさながらいつもとは違った1日の雰囲気で時間が過ぎていきます。


寂しさを噛みしめる間も無く

前任の教頭先生との別れの寂しさを噛みしめる時間はほんの数時間。

すぐに次に着任する教頭先生がやってきて、先ほど引越しを手伝った教頭先生の家に新しい教頭先生が入居します。

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幌加内高校に残る先生方は、新しく迎え入れる教頭先生に期待もしつつ、小さな町での生活をするのに助け合いが必要だということを知っています。

町にはコンビニはおろか、引越し業者はもちろん、多くの町にあるような業者はあまりありません。ですので、当たり前のように互いに互いの手伝いを行うことが通常。

しかし、それらのような環境は人と人との繋がりを強固なものとし、お金で買うことのできない繋がり、感情の共有、他人を思いやる気持ちなどを育ててくれるきっかけを与えてくれます。

必ずしも、田舎の町から着任する先生ばかりではないので、大きな町から転勤してくる先生は色々と新鮮に映ることが、あるのではないでしょうか。


今日は大晦日

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国民の大晦日は12月31日でも、学校の大晦日は3月31日。

世間一般では年越し蕎麦を食べるのが一般的なので、学校でも3月31日には蕎麦を食べる習慣があってもいいのではないでしょうか。

幌加内だけに蕎麦推しで。(蕎麦の生産量日本一)

明日には学校や職員室の雰囲気も一新し、新しい年がスタートします。

教員や生徒の入れ替えはまるで学校を流れる血流の入れ替えのように、新たな流れが始まります。

学校のエアーポケット。

3の31と4の1の境目は学校が〝スポッ〟と、何かが抜ける一年の中の1日です。

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在校生の生徒は春休み。

しかし教員に春休みはありません。

あるのは大人の出会いと別れ。

幌加内高校の令和二年度が終わりました。

令和三年度の幌加内高校もお楽しみにしていてください。

3の31と4の1の境目のとある学校の1日でした。

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